取材担当及川さんのブログ

『エッシャー展』、幕を閉じる

活き活き人担当スタッフ・及川です。5月20日付ブログでも紹介した、オランダの版画家・エッシャーの展覧会『永遠なる迷宮 エッシャー展』が、7月13日(日)に閉幕しました。裸心ブログでのPRも手伝ったのか(笑)、観客数は9000人を越える見通しだそうで、釧路市立美術館で開かれた美術展の歴代ベスト10に入る動員数だろうとのことであります!

エッシャー展が賑やかに幕を閉じたこの日、ワタシにとっても終わりとなったある出来事がありました。それは、エッシャー展の作品解説ボランティアです(爆)。当初6月29日の午後に解説を予定していたんですが、他のボランティアさんに頼まれて代わったため、とりあえず出番が無くなってしまいました。そこで美術館の学芸員さんが計らってくださり、本来午前と午後の2回のみの解説となっていたのを、午後に更に1回追加してくれ、文字通り展覧会最後の解説ボランティアとして特別出演(?)することになりました。実はワタシは会場でのボランティアによる作品解説がスタートした6月16日午前に、既に登板を終えておりましたので、11人の市民ボランティアの中で唯一、最初と最後に作品解説を行ったことになります。いやぁ面白かった(笑)。
『エッシャー展』解説






昨年8月の『画家・岸田劉生の軌跡』展以来となる、美術館での2度目の作品解説でしたが、今回は楽しかったですね(^.^) 解説のイメージが既にインプットされていたので、事前に「こんな風にしたら、聞いてくださる方々にもっと伝わりやすくなるんじゃないかなぁ」というアイディアがいくつか浮かび、BGMに解説内容にちなんだクラシックの曲を流してみるといった、自分なりの演出も加えることができました♪自己満足と言えばそれまでですけどネ。
円の極限


← 今回解説した作品『円の極限機
 (板目木版画/1958年)




でも、やはり初回は緊張しました…。裸心参加者のジュプンさんやスタッフ・ホシノさんらが当日聞きに来てくれて(みなさん、ありがとう!)、幸いにも悪い感想は聞かれませんでした(笑)。なるべく他のボランティアさんの解説も見聞きして、自分の解説に役立てようとしたら、「スゲェよ、この人」と仰天させられるような、表情豊かに説明するオバサン(ごめんなさい!!)が彗星のように現れたりして、実に面白いもんです。ナマの声で人になにかを伝えるということは。改めて考えさせられましたよ。ワタシの場合、解説用に今回作った原稿がパーフェクトに近い出来だったので、書き上げた時点で自分の中で既に完結してしまった気持ちがあり、肉声(ライブ)でそれを伝えるという肝心の部分が、少々パッションを欠いていた気がします。ふだん思っている以上に、これを伝えたいんだ!という情熱って大きなポイントなのかもしれませんね。
『エッシャー展』作品解説






最終日は更に工夫やアドリブを加えて、さほど緊張せずに解説させてもらいました。話す際の間の取り方とかは相変わらず難しいっす。でも、学芸員さんが「及川さんは、あとは場数を踏むだけですね」と言ってくださったので、とりあえずこれでよしとしましょう(爆)。今回も解説ボランティア講習を通じて、エッシャーという1人の作家をホンのわずかながらも掘り下げることができ、よい勉強になったと思います。残すは今回の解説ボランティアの反省会&打ち上げのみとなりましたが、なにやら新しい企画も用意されているとか。一部のボランティアさんからは既に「ベテラン」呼ばわりされているので、次になにが来ても驚きはいたしません(笑)。受けて立ちます(なんちゃって)。それではまた、美術館で会いましょう!!

『アコースティック ロッカーズ Vol.1』

活き活き人担当スタッフ・及川です。5日夜に市内文苑で開かれた、2人の地元ミュージシャンによるアコースティックギターのライブの模様を紹介します。

『アコースティック ロッカーズ Vol.1』
             (ART STOCK Galerie Cafe f5.6)

文苑1丁目にある、ギャルリ+カフェ f5.6(エフゴーロク)という名の、ギャラリー兼喫茶店が当夜の舞台です。ここは市内の写真家・勝山淳一氏が主宰するお店で、こじんまりした店内には勝山氏が撮った風景写真が飾られ、書棚に並ぶ写真関係の本なども手に取って眺められるようになっており、モダンな隠れ家といった感じですが、場所が少々分かりづらいのが難かもしれませんね。
ART STOCK Galerie Cafe f5.6






出演者は、若手のアキラ カリウスマキとベテラン・西方公将の2人。三部構成になっていて、一部がアキラ カリウスマキの弾き語り、二部が西方公将の弾き語り、そして最後に両者のセッションという流れです。前者がマーチン、後者がギブソンという、いずれもアコースティックギター(以下、アコギ)を代表するメーカーのギターを引っさげての登場ですが、弾き語りなどと書くとフォークシンガーが爪弾く湿っぽいフォークソング(失礼!)をイメージしてしまいます。しかし、この日のライブのタイトルにもあるように、1人でアコギを鳴らしていても心はバンドのつもり、つまりロックをやってるんだという彼らの意気込みが、客席に十分伝わってくるステージでしたねぇ。

まずはアキラ カリウスマキが自身のオリジナル曲を熱唱します。実はワタシ、彼と一時期バンドを組み、後ろでベースを弾かせていただいてました(笑)。まったく力不足でバックを支えきれず(爆)、現在は活動休止中なんですが、当時ライブなどでやった彼の曲と唄を久しぶりに聴けて楽しかったです!癒しや愛といった、安住の地を求めてさすらう気高く孤独な魂の歌。そんなアキラ カリウスマキ流のブルースが中心ですが、アングラの女王として知られる孤高の女性シンガー・浅川マキの曲のカヴァーも披露し、やはりこの人のセンスは一味違うなぁと客席で改めて思いました。ちょっといないっすよ、浅川マキを歌う人なんて(笑)。彼女の歌の底に流れるブルースに惹かれての選曲でしょうが、こうも“ブルース”ばかりじゃ面白くない!彼がイギリスのパブ・ロッカー、故イアン・デューリーに捧げた『Blockheads』という曲が、オリジナルの中ではワタシは一番好きなんですが、この歌のように「世界はくそったれだ」と分かっていながらもどこかそれを笑ってみせるような、ポジティブなアキラ カリウスマキ節を、今後はもっと聞かせてほしいと思います!!けなしてるんじゃないですよ(笑)。
浅川マキ





←浅川マキ






お次の西方氏はサラリーマンの傍ら、「ポール西方」の芸名(?)で鈴木茂(元・はっぴいえんど)やパンタ(元・頭脳警察)、シーナ&ロケッツといった大物ミュージシャンとも共演している、知る人ぞ知るすごい方です。転勤先の札幌ではエレキギターを手に「札幌のニール・ヤング」と呼ばれていたそうで、この日も反骨のシンガー・ソングライターとしてリスペクトされるカナダ出身のベテランロッカー、ニール・ヤングの曲をメインに据えてきました。曲に合わせてチューニングを変えながら彼の曲を次々に披露しましたが、映画『いちご白書』(1970年)の挿入歌として知られる『ローナー』の力のこもった演奏が特に印象に残っています。直前まで体調がよくなかったそうで、ステージが始まる前には薬を飲んでいましたが、それでもあれだけのギターと唄を聞かせるのはサスガの一言。次回はベストコンディションで、ぜひローリング・ストーンズのナンバーをかましてもらいたいです(笑)。
ニール・ヤング



←ニール・ヤング




三部はアキラ カリウスマキの唄のバックに西方氏が回るという組み合わせでしたが、アイリッシュ・ソウルシンガー、ヴァン・モリソンの極めつけの名曲『クレイジー・ラブ』を取り上げるなど、ロック好きにはこたえられない渋めの選曲で、椅子に座りながら足でビートを取り、手拍子を打ち、とすっかり楽しい時間を過ごさせてもらいました。そしてアンコールはジョン・レノンの問答無用の名曲『ジェラス・ガイ』っす!客席で勝手に一緒に歌わせてもらいましたが、まさに至福の一言に尽きる!!そうさ、ステージの向こう側だけがロッカーじゃない。こちらのワタシも心はロッカーさ(なんてね)!この『アコースティック ロッカーズ』、Vol.1だけじゃ物足りないのでお替りください、てんこ盛りで(笑)。あぁ、もう腹が減ってきちまったぜ、それじゃあまた!!
アコースティック ロッカーズ Vol.1

札幌交響楽団演奏会 in 弟子屈

活き活き人担当スタッフ・及川です。先日、弟子屈町で開かれた札幌交響楽団の演奏会の模様を紹介します。

◎第443回 ほくでんファミリーコンサート
(6月13日夜・釧路圏摩周観光文化センター)

札幌交響楽団は、1961年にスタートした道内唯一のプロのオーケストラで、『札響』の愛称でクラシック音楽ファンに親しまれています。北海道電力がスポンサーを務め、道内各地を巡回する入場無料のコンサート『ほくでんファミリーコンサート』も、わたしにとってはとても懐かしい名前で、少年の頃にHBCの同名のラジオ番組で、オンエアされたコンサートの模様をよく聞いていたのを思い出します。
札幌交響楽団





いわばドサ回り(失礼!)であるこの種のコンサートは、文字通り家族向けのポピュラーな名曲がプログラムを飾るのが特徴ですが、クラシックファンには別の楽しみ方もあります。オーケストラを振る指揮者に、巨匠や名匠と呼ばれるような指揮者はまず登場しない代わりに、次代を担うであろう新人や若手が起用されるのです。「コイツはこれからブレイクするかもしれない」。そんな未知の指揮者との出会いを、美しい音楽と共に客席で楽しめるのも魅力と言えますね。

当夜の指揮者は寺岡清高氏。大阪のプロオーケストラ・大阪シンフォニカー交響楽団の正指揮者を中心に活動する、ウィーン在住の40代前半の若手で、今回初めてその名を知った指揮者でした。
指揮者・寺岡清高さん






プログラムは前半が、イタリアの作曲家・ヴェルディの歌劇『運命の力』序曲、マスカーニの歌劇『カヴァレリア・ルスティカーナ』間奏曲、現代日本の作曲家・外山雄三の『管弦楽のためのラプソディ』の3曲で、休憩を挟んだ後半がロシアの作曲家・チャイコフスキーの交響曲第5番です。

仕事帰りだったため、6時半の開演に間に合わず、楽しみにしていたヴェルディのドラマティックな名曲『運命の力』序曲を聞き逃してしまった―。というワケで、わたしが楽しんだのは、同じくイタリアオペラの名曲『カヴァレリア・ルスティカーナ』間奏曲から。実はナマで札響を聴いたのは十数年ぶりで、『カヴァレリア〜』の最初の弦楽器の音色が流れ始めた途端、「エッ、札響ってこんなにいい音だったっけ?」という思い(ホント失礼ですみません…)に包まれました。短い曲ながら、中低音の十分な厚みに支えられた、ヴァイオリンが奏でる美しい旋律に耳をうばわれましたね。当夜のホールの響きが悪くなかったことや、近年札響が音響の良さで世界的に知られるコンサートホール『キタラ』を本拠地に活動し、音に更に磨きをかけていることもあったのかも知れませんが、オーケストラからどんな響きを引き出すかも、指揮者の手腕の一つです。これはメインプログラムのチャイコフスキーに期待が持てます(^.^) 

休憩とオーケストラのチューニングを挟み、いよいよチャイコフスキーです。交響曲第4番、第5番、第6番『悲愴』からなる、彼の最後の3つの交響曲は『後期3大交響曲』と呼ばれる名作ですが、壮大華麗な4番と、最高傑作である『悲愴』との間に挟まれた5番は、実はわたしにとっては今一つ地味に感じられ、少しばかりピンとこない所のある曲でした。

前半のプログラムでも感じたことですが、弦楽器を主体にしたオーソドックスな音作りで、常にゆとりのある響きを作り出していたのが印象的でした。落ち着いたテンポで、ていねいに音楽を作るいい指揮者だなぁと思いながら聴いていたんですが、最後の第4楽章・フィナーレでも手堅く見通しのよい音楽を進め、所々ポイントとなる箇所でもオーケストラを派手に鳴らしたり、あおったりすることなく、着実に盛り上げる姿勢は一貫していましたね。ホルンが静かなソロを豊かに響かせる、ゆっくりした第2楽章では、指揮者の音楽の感じ方とオーケストラの音楽の感じ方が合っていない、と感じる場面もありました(たまたま会場で出くわしたクラシックファンの知人は、第4楽章でそれを感じたそうです)が、そんなキズ(?)も含めてのライブの楽しみです。ナマの演奏に触れ、改めて「いい曲なんだなぁ」と素直に思いました。

プログラムを見た第一印象からは、ロマンティックな『熱演系』の指揮者なのかなと思ったんですが、実際の演奏を聞き、この人のこれらの美点が最良に発揮されるのは、ハイドンやモーツァルトといったドイツの古典派や、ロマン派と目されながら古典的な形式の音楽を作ったブラームスの曲なんじゃないかな、ということを客席で感じましたね。アンコールに弦楽のみで演奏されたバッハ作曲『エア(G線上のアリア)』の、美しい旋律を歌わせることだけに終わらない、確かな足取りの演奏ぶりを聴き、その思いは更に強まりました。

たまたま終演後に指揮者のサインをもらうことが出来たんですが、呼び止めた際「今度はぜひブラームスの交響曲第4番(※ブラームス最後の交響曲。バッハが用いた作曲技法が終楽章で使われている)を聞かせてください」と話しかけたら、「そういうの(演目)がいいんだよなぁ」と言いながら、気さくにパンフにサインを書いてくれたので、どうやらわたしの耳も、そんなにピント外れではなかったようです(笑)。また機会があればぜひ再び聴いてみたい指揮者ですね、寺岡さんの音楽は。その日をいつか楽しみに待ちたいと思います。ではまた。
コンサート・パンフ

シーナ&ロケッツ ライブ at 帯広:メガストーン

PUNK!ROCK!BLUES! 活き活き人担当スタッフ・及川です。5月31日(土)夜、帯広で最高のライブがありましたぁ!!(絶叫&感涙)
20080531 シーナ&ザ・ロケッツ





今年結成30周年を迎えたロックバンド『SHEENA & THE ROCKETS(シーナ&ロケッツ)』。8年振りのニューアルバム『JAPANIK』を引っさげて、30周年記念ツアー前半戦のライブで帯広へやってきました。道内は今回札幌、帯広、根室の3つの会場を転戦します。
シーナ・アンド・ザ・ロケッツ「JAPANIK」








おととし、シンガーの布谷文夫が座長を務めたセッションが、帯広のライブハウス・メガストーンでありました。そこに出演していたのが、シーナ&ロケッツのフロントの2人、シーナ(ボーカル)と鮎川誠(ギター、ボーカル)です。そのあまりのカッコよさにノックアウトされ、また来たら必ず聴きにいこうと心に決めてたんですが、今年再び帯広にやって来るとは!

開演は午後6時半とインフォメーションされてたんですが、あいにく当日は夕方まで仕事。でも、オープニング・アクト(前座のことです)が3組も名を連ねていて、最低1時間は遅れてもステージに間に合うだろうと踏み、職場から帯広へ駆けつけました。7時半に到着したら、最後の組の若いバンドが演奏している最中でした。

ステージで次のセッティングが進むのを横目に、BGMのリズム・アンド・ブルースやダンスホール・スタイルのレゲエを聞きながら登場を待っていたら、BGMがローリング・ストーンズの曲に変わったので、これが終わったら来るな、と思っていたらついに来ました(笑)。シーナ以外の4人の男たちがステージに現れ、オープニングに鳴らしたのは『バットマン』のテーマ。「アレ、3人なんじゃないの?」と思ってたら、ベーシストが今回サイド・ギターに回っていて、ベースは初代ベーシスト(何度かメンバーチェンジをしています)が弾いておりました。

タイトなリズムを叩き出すドラムのビートに乗って、最高にイカした熱いギターをかき鳴らす、クールな鮎川誠の勇姿に、もうオープニングからしびれました!何曲かやったところで、シーナ姐さんもステージへ。ニューアルバムのジャケットでも着ていたレザーのジャンプスーツ(?)で登場し、そのあまりのカッコよさに、オレのボルテージも、会場のボルテージもさらにヒートアップしましたね。途中で、衣装をピンク(だったと思う)の超ミニスカートにチェンジし、そのキュートでセクシーな、女豹のようなステージ姿に、誰かが言った「日本で一番ミニスカートの似合うオンナ」という言葉を思い出しました!

ニューアルバムを中心に演奏しましたが、何曲やったとか覚えてません(笑)。ステージ上のボーカルとギターをちょうど真ん前くらいで見られるという、会場最前列の最高のポジションにオレはいたので、ビートに合わせて頭を振り、腕を振り上げ、足を踏み鳴らし、体を揺すり(踊りと言えるようなシロモノじゃなかったんで)、バンドと一緒にサビを叫び、と息を切らし汗をぬぐいながらノリまくり(爆)、ホントに楽しくて幸せでしたよ。アップテンポでグイグイ乗せるノリのいい曲ももちろんだけど、ブルージーなフィーリングあふれるスローバラッド『形見のネックレス』とかも最高によかったなぁ。思いっきり頭を左右に揺らして聴き入ってました。
鮎川誠,











鮎川誠は今年60歳の還暦を迎え、シーナは54歳(!)。夫婦でもある2人ですが、ハッキリ言って年齢とかってどうでもいいことなんだ、ロックやるのに年なんか関係ないんだと心から思いました。あぁ、こんなカッコいい夫婦になりたい(って、オレ独身だけどサ)!!ロックは愛だ、生き方なんだと思うよ、ホント。ステージに腕を突き出して聴いていたら、シーナさんに手をつかまれたり(シーナさんの香水の匂いが残ってたので、帰っても手を洗いませんでした・爆)、ステージを去る時に、鮎川さんが弾いていたギターのピックをオレに渡してくれたりと、もっと筋金入りの熱烈なファンが大勢いるはずなのに、自分の一生の思い出になるような場面もあって、書きたいことはまだまだあります(笑)。

10時にライブが終わり、近くに停めてあった愛車のシートにヘトヘトで座り込んだ時、思わず出た言葉は一言「最高―」。大音量で(ライブの後の耳鳴りで、デカイ音じゃないとよく聞こえないんです)ニューアルバムを車内に流しながらスッ飛ばす、帰り道の気持ちのいいこと、気持ちのいいこと(笑)。間近で聴く生のライブはホント最高です!!この後も、釧路での東京スカパラダイスオーケストラや、中標津でのザ・クロマニヨンズといったライブ情報が伝わってきているので、みなさんもぜひ楽しんでくださいね。ではまた!

エッシャー展・解説ボランティア

活き活き人担当スタッフ・及川です。みなさんはエッシャーをご存知ですか?その名前を聞いたことはなくても、下へ向かって流れていたはずの水が、いつの間にか上に戻っている不思議な滝の絵や、上に向かって登っていたはずの階段が、いつの間に下に戻っていて堂々巡りを繰り返している、不思議な階段の絵を、一度はどこかで目にしたことがあるかと思います。
エッシャー展チラシ












そんな不思議な世界を生み出した版画家・エッシャー(1898−1972)の作品140点を集めた展覧会が、6月から7月にかけて、釧路市立美術館で開かれます。今、わたしはこの展覧会の作品解説の原稿作りに取り組んでいます。昨年、市立美術館で開かれた『岸田劉生展』で、初めて企画された市民ボランティアによる作品解説が、今年はエッシャー展で行われることになりました。

わたしを含め、公募で集まった老若男女11名が、4月末から美術館の学芸員さんによる解説ボランティア講習を受けながら、エッシャーの世界を探っています。わたし自身、「不思議な絵」「だまし絵」という程度の知識しかなかったんですが、数学的な手法も取り入れて緻密に作られた作品の数々を見て、改めてその世界を深く知るよい機会を得たなぁと感じています。
ボランティア講習のひとコマ









わたしにとっては、二度目となる作品解説ボランティアのチャレンジですが、今回は、解説の際のいろいろなイメージやアイディアが浮かんできて、今からとても楽しみにしています。解説原稿の準備も少し早めに始め、余裕を持って本番に臨めそうです。学芸員さんによると「少し高めの年齢層をターゲットにした展覧会」だそうですが、はたして“大人の解説”を行うことが、わたしにできるのでしょうか(笑)。

わたしは、6月14日(土)午前11時からの回に、今回の解説ボランティアの先陣を切って乗り込みます。持ち時間は15分程度と限られていますが、トップバッターとして恥ずかしくない解説が出来ればと思っています。29日(日)午後2時からの回にも登場しますので、お時間のある方はぜひ足を運んで冷やかしに来てください。では、『永遠なる迷宮 エッシャー展』の会場でお会いしましょう!おっと、入場料1000円(当日)が掛かるのでお忘れなく!!

釧路カンマーアンサンブル 第1回演奏会『誕生日』

活き活き人担当スタッフ・及川です。先日、近所で聞いたクラシックのコンサートの模様を紹介します。

◎ 釧路カンマーアンサンブル 第1回演奏会『誕生日』
(2008年2月17日・NIKO NIKO HALL)

カンマーアンサンブル













釧路カンマーアンサンブルは、地元のアマチュアオーケストラ・釧路交響楽団の団員らを中心に、昨年11月に結成された団体。カンマーアンサンブルとは、ドイツ語で「室内合奏(団)」という意味だそう。「バロックと古典の響き」と演奏会のサブタイトルにあるように、18世紀のバロック音楽と古典派の音楽を主なレパートリーにしています。

会場となったNIKO NIKO HALL(ニコ ニコ ホール)は、私の住むアパートから歩いて5分くらいの所にある、ナガオ薬局愛国東店内にあります。てっきり店の一画にある催事場みたいな場所で演奏するんだろうとばかり思っていたら、行ってみて驚きました。鍵盤楽器や室内楽を演奏するのにちょうどいい大きさの、わりと本格的なコンサートホールで、ステージにはグランドピアノまで置かれています。近所にこんなコンサート会場があったなんて、まったく知りませんでしたね〜(*_*) 社長さんの趣味で作ったホールなんだそうですよ。

カンマーアンサンブル







出演者は、賛助出演を合わせて総勢13名。使用楽器や編成が異なる5曲が、演奏者の組み合わせを変えながら、曲の解説も交えて披露されました。演奏者は全員フォーマルな服装で、なかなか本格的なマチネー(※昼間の公演)です。コンサートの第1部の幕開けは、ハイドンのディベルティメント(喜遊曲)「誕生日」。お披露目公演の冒頭に「誕生日」というタイトルの曲を持ってくるなんて、ちょっと洒落た感じでいいですね〜♪

カンマーアンサンブル



←アントニオ・ヴィヴァルディ
(1678−1741)





1曲目のハイドンは、ゆっくりした第2楽章で音に固さを感じるなど、わずかにしっくりこない感じがしたんですが、体も楽器も徐々に温まったせいか、以後はなかなか充実した演奏が繰り広げられました。2曲目は「四季」で有名なヴィヴァルディの室内協奏曲。3曲目がボッケリーニのオーボエ五重奏曲。ハイドンやボッケリーニがわりとなだらかな軽めの曲なのに対し、ヴィヴァルディは曲の中でいろいろな表情を見せるので、演奏者にも高い技量が求められますが、ファゴットやオーボエ、フルートといった管楽器奏者の健闘が光り、聴き応えのある演奏でしたね。

カンマーアンサンブル



←ヨハン・セバスチャン・バッハ
(1685−1750)







15分の休憩を挟み、第2部ではモーツァルトのフルート四重奏曲、バッハのヴァイオリンとオーボエのための協奏曲が演奏されました。古典派の作曲家の最高峰と、バロック音楽の作曲家の最高峰を取り上げるという意味合いでの選曲だったそうですが、プログラム中最大の9名がステージに上がったバッハは、この日のトリを飾るハイライトでした。編成が大きいので響きに厚みがあるのはもちろんですが、その音楽の大きさと深みはやはり他の曲と違います。特に女性オーボエ奏者が、時折苦しそうな表情を見せながらの熱のこもった演奏。口で息を吹き込んで音を出す管楽器って、息継ぎが大変なんですよね〜。チェンバロやコントラバスといった低音部、ヴァイオリンやヴィオラ、チェロの弦楽奏者たちも、充実した響きで一体となって支えていました。難を言えば、独奏のオーボエに比べて独奏ヴァイオリンの音量が小さく、まるでオーボエ協奏曲のように聞こえてしまい、第2楽章での掛け合いなどが立体的に響いてこなかったんですが、この曲に挑んだ心意気によしとしたいと思います。

用意したイスが足りず、立ち見も出たほどの客席からの盛んな拍手に応え、アンコールはバッハの管弦楽組曲 第3番から「エア」。「G線上のアリア」の名で知られる名曲中の名曲です。美しく静かな旋律がステージを満たしていくのを聴きながら、アマチュアだとかプロだとか関係なく、ただ音楽を愛する心とよい音楽だけがそこにあるということに、しあわせで暖かい気持ちを感じました。ホント音楽っていいですね(^.^) 釧路カンマーアンサンブルの今後の活動に注目したいと思います。ではまた。

活き活き人担当スタッフ・及川の旭川紀行

翌朝、JR旭川駅前のバス停から9時40分発の直行バス・旭山動物園線に乗り込み、10時24分に旭山動物園に到着しました。あまり余裕のない車内ではアジアの他の国(たぶん中国か台湾)の会話も耳に飛び込んできて、動物園がインターナショナルな観光スポットであることを肌で感じさせます。

旭山動物園






駐車場に次々と観光のツアーバスも到着し、10時半の開園を前に、もうけっこうな人だかりです(*_*) 後からさらに混雑するだろうと思い、『ぺんぎん館』、『あざらし館』といった人気コーナーを先に素早く見学することにしました。

旭山動物園













旭山動物園










旭山動物園








いやぁ、思わず「スゲェ」とか「ワァー」って歓声を上げちゃいましたが、行ったことのある方ならきっと分かりますよね(^.^) ペンギンたちが飛ぶように自由に泳ぐ通路の中を歩いたり、ニューッと下からアザラシが泳いで上がってくる様子をパイプの外から至近距離で眺めたり。順番待ちの行列が長かったので、カプセルの中に頭を入れて、シロクマさんと間近でご対面するということは出来ませんでしたけど。


旭山動物園












旭山動物園








旭山動物園











雪の中でダチョウやサイ、キリンやカバを眺めるのも、実はちょっとシュールな光景だよなと思ったりしつつ、園内を回りながら、旭山動物園の人気ぶりについて考えていました。動物たちと入場者との距離をどこまで近づけられるか(距離感)、動物たちをどれだけ異なるいろいろな角度から入場者に見せられるか(見せ方)、動物たちの動くさまざまな様子をどれだけ引き出せるか(同上。演出といってもよい)。この3つに知恵を絞って工夫を凝らした結果が、現在の盛況ぶりをもたらしたんだろうなというのが、わたしが歩いた実感です。もちろん一夜にしてできたことではないはずですが、これは例えばヨサコイなんかにも通じる話だと思いませんか?スタッフ・どむさん(^.^)


旭山動物園











腹が減ったし、なにか食べようと売店エリアに足を向けると、動物園限定のランチBOXが売られていました。限定の言葉にそそられて、食券を購入します。


旭山動物園











旭山動物園












食べたのは「からあげジンギスカン」(600円)。ご飯の上に、マヨネーズをかけて紅しょうがを添えた、唐揚げのジンギスカンが乗っています。なかなかイケましたけど、オレならこれワンコイン500円だな(笑)。セコイ感想ですみません…。どこの無料休憩所も混んでいて、まさに立ち食い用ですね(わたしも当然立ち食い)。

通りすがりの動物園関係者を呼び止めて、「各地からこれだけの人が集まってくれば、地元にもたらす経済的な波及効果は大きいでしょうね」とたずねたら、予想外の興味深い答えが返ってきました。「はたから見ればすごい経済効果のように見えますが、動物園や食材を納めている業者、一部のホテルなどしか儲かっていないので、波及効果はとても疑問です。旭川は木工が地場産業といわれていますが、地元工芸館などが観光コースに組み込まれず、観光客の方々が動物園だけを見て、翌朝に次の目的地に向かってしまうので、地元にお金が落ちないんです」。

この意見が全てを物語っているとは思いませんが、なるほどと思える見方でもありました。この話のように、動物園だけを見て次に行ってしまうような『通過型観光』から、なるべく多くの日数を泊まってもらい、地元のあちこちを回って(そしてお金を落として)もらう『滞在型観光』への転換が、各地でさかんに言われています。釧路をはじめ道東も例外ではないんですが、旭山動物園という一大観光ブランドを持つ旭川でさえ、悩みは同じというワケでした。旭山動物園は無くても釧路には釧路湿原というブランドがあるんだから、条件はさほど変わらないはず。つい隣の芝が青く見えてしまうものなんですねぇ、きっと。

とは言え、観光客(今回、1泊2日だったオレみたいな人とか…)にしてみれば、限られた予算と時間を有効に使うために、ホントに見たいポイントを絞ってくるのが人情。連泊してでも見たい、体験したいと思わせる魅力的な観光コースやメニューを、どれだけ発掘・提案しアピールできるかが、滞在型観光のカギになるんだろうなと思います。それにしても旭山動物園、今度はゆっくり行ってみたいもんですね(こんな風にリピーターを呼び込むことができるのも旭山動物園の強みだな、きっと)。ひさびさに釧路市動物園に行ってこようかなぁ。旭川レポートはこれにて終了です。ではまた!

旭山動物園

活き活き人担当スタッフ・及川の旭川紀行

夕方、ラポラポラから市内のビジネスホテルへ歩いて戻る途中、懐かしい看板を見たわたしは、「あれを食べたい!」という欲望を抑えきれず、店内へと入ったのでした。カレーとギョーザで知られるチェーン店『みよしの』です(笑)。札幌でおバカな大学生活を送っていた頃、「腹減った。行くか?」と悪友たちと夜中によく食べに行ったのを思い出します。わたしの青春の味は、なんといってもみよしのです。さすが旭川ラーメンで知られる土地柄で、ラーメンとギョーザのセットという、札幌ではお目にかからなかったメニューもありました。

ふらりーと.JPG











ご存知のように、みよしのは釧路にありません。久々に「あの味をもう一度」と頼んだのは、ジャンボぎょうざ定食(680円)。ギョーザ18個と大盛りライス、みそ汁のセットです(爆)。それなりにおいしかったけどさー、なんかビミョーに違うんだよー。やはり二度と戻らない味だからこそ「青春の味」なんでしょうねぇ(涙)。


ふらりーと







ホテルに戻って体をしばし休めたわたしですが、「旭川に来たならば、ここに必ず顔を出さねば」と思い定めていた店がありました。ちょうど第48回 旭川冬まつりの期間中とあって、夜の買物公園通に設置された氷の像を眺めながら、徒歩で向かった先は市内の『5・7小路 ふらりーと』です。


ふらりーと







18の飲食店や商店などが軒を連ねる小路で、現地に行って初めて知ったんですが、2年前の2006年、京都の姉小路と日本初となる姉妹小路提携を結んだというユニークな場所でした。あるチラシに「隆盛した昭和の佇まいを残す、なぜかなつかしい小路です」と紹介されていましたが、ノスタルジックな懐かしさだけでなく、そこに小粋な現代の風をサラリと吹かせた印象をわたしは受け、ちょっと洒落た楽しそうな小路だなぁという印象も持ちましたね。釧路の赤ちょうちん横丁は、泥臭い懐かしさはあるけれど、粋な感じが少し欠けてる気がするんだが、どう思う?スタッフ・ホシノくん(^.^)


ふらりーと







小路を入ってすぐ右側にその老舗がありました。『焼き鳥専門 ぎんねこ』。創業55年、秘伝のタレ味わうまでは、素通りは許しませんぞ。これが、ぎんねこのうたい文句であります。二代目である店主の久保あつこさんに、わたしは8年前にたいへんお世話になりました。当時心酔していたあるアーティストのライブを釧路で企画した際、「釧路単独では大変だろう」と久保さんが手を挙げてくれ、更に札幌にも声を掛けてくださり、釧路・旭川・札幌での北海道ツアーが実現しました。若気の至りと言ってしまえばそれまでですが、わたしの忘れられない思い出の1つです。久保さんはその後、旭川市議会議員選挙に立候補し、現在は、市民派議員と焼き鳥屋のおかみの二束のわらじで活躍。京都・姉小路との姉妹小路提携にも一役買われたようであります。

ふらりーと

←焼きタマネギを添えたチャップ(豚肉焼き)






繁盛店とあって既に品切れのメニューもいくつかありましたが(残念!)、久保さんの母親譲りのサラサラしてサッパリしたタレで味付けされた、無冷凍の炭焼きはどれもおいしく、特に“チャップ”(豚肉焼き)はホントにサッパリしたおいしさで、二皿目も頼んでしまいました(笑)。カウンターでゆっくりお話することは出来ませんでしたが、機会があればまたお邪魔したいなと思っています。次回はわたし1人じゃなくて(爆)。手土産に持参した福司の鮭ヒレ酒、お味はいかがでしたか?久保さん(^.^) 5・7小路 ふらりーとを後にして、翌朝わたしが向かうのは旭川市あさひやま動物園。というワケで、次回は最終回・あさひやま動物園編です!

ふらりーと







ふらりーと

活き活き人担当スタッフ・及川の旭川紀行

旭川美術館での展覧会を見終えて、わたしが10分ほど歩いて向かった先は、おととし12月にオープンしたある小さなギャラリーです。

◎『北海道のアウトサイダー・アート展』
(2月10日・ボーダレス☆アートギャラリー ラポラポラ)

アウトサイダー・アート












『アール・ブリュット/交差する魂』展の関連イベントとして、北海道のアウトサイダー・アート展が開かれていました。『アール・ブリュット/交差する魂』展を主催した旭川のNPO法人が、このギャラリーを運営しているんだそう。新聞を読んでいて、このギャラリーがオープンしたことを知り、一度のぞいてみたいなぁとかねがね思っていました。

アウトサイダー・アート

←ボーダレス☆アートギャラリー
LapoLapoLa





旭川、富良野、札幌の4人の作品が展示されていました。わたしにとってはまったく未知の作家たちです。一目で気に入ったのが、畑中亜美の電球を描いた絵画。シンプルな黒い太い線でグイッと書かれただけの平面的(というより平面そのもの)な絵ですが、余分なものが一切ない問答無用の分かりやすさが、わたしにはとてもおもしろく感じられて好きです!買って部屋に飾りたいな〜。

アウトサイダー・アート








アウトサイダー・アート












他のお客さんたちに受けていたのが、西本政敏の木製の『バス』シリーズ。わたしが観に行った前日になにかのテレビで紹介されたらしく、そのことが話題になっていました。中をのぞきこむと車内も作ってあって、バス好きの作者が喜々として、丹精こめてリアルに作ったんだろうなぁと思います。


アウトサイダー・アート








アウトサイダー・アート







アウトサイダー・アート








この他、紙(だったと思う)で作られたサトちゃん人形の数々や、カラフルでかわいいイラストが展示されていて、コーヒーでもゆっくり飲みながら眺めてみたかったです。喫茶コーナーもあったらいいなぁ、ラポラポラさん(笑)。


アウトサイダー・アート

←あふれんばかりの『サトちゃん』










アウトサイダー・アート


←地元・旭川の作家さんのイラストだそう。









アウトサイダー・アート







ここ釧路でもこんな未知のアートに出会えたらいいなぁと思います。ラポラポラさんのパンフに「知的、精神的な障害のある方たちの作品は、周囲の人から芸術的なものと思われずに捨ててしまわれ残っていないことも多い」とありました。残念な現実ですが、「釧路にこんな作家がいるよー」とご存知の方は、ぜひワタクシに教えてください。さて、お次は『5・7小路 ふらりーと』へと向かいます!
(文中、敬称略)

活き活き人担当スタッフ・及川の旭川紀行

活き活き人担当スタッフ・及川です。2月上旬に旭川市に行ってきたので、そのレポートをお送りします。けして“旭川奇行”ではありません、念のため(笑)。

◎『アール・ブリュット/交差する魂 〜 ローザンヌ アール・ブリュット・コレクションと日本のアウトサイダー・アート』
(2月10日・北海道立旭川美術館)

今回の旭川行きは、この美術展を観るためでした。「アール・ブリュット」とは聞きなれない言葉ですが、「生の芸術」という意味を持ち、フランスの画家ジャン・デュビュッフェが提唱したジャンルです。またの名を「アウトサイダー・アート」。正規の美術教育を受けていない障害者(例えば精神障害や知的障害、自閉症)や一般人が、独自に作り上げた美術表現を指します。日本でも数年前から関心が高まり、個人的にも注目していたんですが、北海道で初のアウトサイダー・アート展がこのたび実現。デュビュッフェが長年収集し、現在スイスのローザンヌにあるアール・ブリュット・コレクションからの作品と、現代日本のアウトサイダー・アート作家10人の作品からなる約140点が並びました。

アール・ブリュット












アール・ブリュット・コレクションからは、精神病院でその生涯を終え、アウトサイダー・アートを代表する作家として知られるアドルフ・ヴェルフリの作品などが展示。現代アウトサイダー・アートの作家ジョゼフ・フォッファーの絵画なども出展されましたが、わたしがスゴイと思ったのは、インド在住のネック・チャンドによる彫像の数々です。この人はインドのとある州都で道路建設の責任者として働きながら、ある光景を夢にみたのをきっかけに、7年がかりで石や食器の破片などを拾い集めて、人間や動物をかたどった無数の彫像を作り上げ、空き地を勝手にこれら彫像が居並ぶ大庭園に変えてしまったそう。後にそれを知った市当局もそのスケールに驚き、正式に庭園として認められ、現在は作業員と給料が提供されて、今も拡張が続いているそうです。彼の存在は初めて知りましたが、表面を覆う石の質感が独特な味のある彫像で、素人とは信じられないオジサンです!


アール・ブリュット
←展覧会入り口のロビーに並んだチャンドの作品。
ホントは写真を撮るのはいけません…。





アール・ブリュット
←同じくチャンドの作品。こちらは動物です。





わたしは日本のアウトサイダー・アートにより興味を抱いていたせいか、日本の作品の方が面白く感じられました。小幡正雄、富塚純光、坂上チユキといった、アウトサイダー・アートの本で目にした有名作家(?)の実物に触れることができたんですが、ナマで観てあらためてスゲェと思ったのは、喜舎場盛也の「漢字作品」たち。使用済みの航空管制記録用紙に、大の漢字フリーク(漢字の意味は理解できないが、漢字の形そのものに興味があるらしい)である喜舎場がびっしり書き込んだ、小さな漢字とその字体が放つ画面の面白さ、そして記録用紙の余白部分との絶妙なバランス加減!しかも、そんな視覚的計算や配慮など作者の眼中にはないんでしょうから、これは天然アートのすごさとしか言いようがありません(*_*)

アール・ブリュット

←貴舎場盛也の作品から(部分)




ワクワクするような未知の作家たちとの出会いもありました(^.^) 辻勇二の、独特の世界が確立された「どこかに実在する架空の街」の風景を描いた、軽やかなペン画。戸來貴規の手による、不思議で美しい抽象的な模様が鉛筆で書き込まれた彼の「日記」(!)。特に戸來の作品は、彼の思考回路の中で文字がなんの作為もなく模様に変換されているという、驚くほかないオリジナルな表現物でした。もっとも、彼の中でそれは不思議でもなんでもない当たり前のことなワケですが。

アール・ブリュット


←戸來貴規のある日の日記。










自分の作品が他者の目にどう映るか?なんてことには目もくれず、表現技術や技法といった理屈めいた“常識”をやすやすとぶっ飛ばし、「これを書きたい!作りたい!」という自らの思いだけに突き動かされて作られたこれらの作品からは、現代美術がつい失いがちなパワフルな生命力が伝わってきて、観ていて元気をもらえるような展覧会でしたね〜。なかなかないっすよ、こんな美術展(^.^) 次回は北海道のアウトサイダー・アートが登場します!
(文中、敬称略)
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