活き活き人担当スタッフ・及川です。職場に届いたFAXに『チームアプローチセミナー』という、なにやら面白そうな研修会の案内が。という訳で、休みの日に自腹で参加してきました(笑)。

釧路の認知症高齢者グループホームの団体が企画した、介護に当たる職員向けの研修会でしたが、グループホーム以外でもOKということだったので、単身潜入(?)してきました。30名の介護関係の職種の方々が、会場の釧路市民文化会館に集まりました。
釧路市民文化会館


←釧路市民文化会館(笑)



「グループによる体験プログラムなので、動きやすい服装と靴でお越しください」という事前の案内に従って、いったい何をさせられるのだろう?と思いつつ、ジャージ姿で会場へ。受付で「ネームタグに自分のファーストネームを書いてください」と指示を受け、席に座って講師を待ちます。東京の『さわやか福祉財団』から来たAさんが、この日の講師です。

オリエンテーションが終わり、さっそく文化会館の中庭へと移動。『パイプライン』という最初のプログラムがスタートしました。参加者を2つのチームに分け、各自が竹筒を半分に割ったような形のパイプを持ち、その上にボールを転がして、1個でも多くのボールをゴールに届けるというゲームです。率先してリーダーシップを取って場を引っ張る方が現れたり、2チームに分けることで自然に対抗意識が生まれたりという感じですが、ワタシがいたチームはボールを転がす出発点から、ゴールに近づいていくにつれて、パイプの持ち手の背丈が低くなっていくという配置(ボールをスムーズに転がすため、傾斜がつくように背の高い人から順に並べるということです)だったため、ワタシはほぼ出発点の位置にいました。ボールを落としてしまうとやり直しというルールだったため、落とすのを避けようとパイプを低く構えすぎている人が途中にいて、凸凹になってしまってボールがスムーズに流れないのが見えているのですが、「この状況ではそれを言っても…」と判断し、何も言わずに身を任せることを選択しました。はたして正しい選択だったのか?と今も考えます。このプログラムのテーマは『協同』でした。同じテーマの『ヘリウムバー』というプログラムで、午前の部が終了です。
『シーソー』


←プログラム『シーソー』



午後の部の最初のプログラムは、『シーソー』でした。これまた2チームに分かれ、シーソーの上に1人ずつ順番に乗っていき、バランスを崩して傾けることなく、チームが整列して歌(ちなみにハトポッポ)をワンコーラス歌い終えることができたら成功、というゲームです。そんなに難しくないんじゃない?という声が聞こえてきそうですが、人数が多く、シーソーの上に乗ったらしゃべってはダメというルールがあり、互いに声を掛け合ってバランスを取ることができないため、一筋縄じゃいかないんですねぇ(笑)。みなさん、手をつないだり、体にしがみついてバランスを取っていましたよ。というワケで、外からみんなに指示を出してバランスを取るリーダーが必要になるんですが、なぜかワタシがリーダーに(爆)。「○○の人、もう少し右に」とか「いいよぉ、オッケー!」、「だいじょうぶ、できる!!」と、身振り手振りも交え、時に励ましながら指示を出し、みんなの力のおかげで無事成功しました。このプログラムのテーマは『信頼』。この後、同じテーマの『地雷』を2人1組で行い、野外プログラムは終了です。

これらのプログラムは、ミシガン・プログラムといわれ、ベトナム戦争時の軍隊のコミュニケーション手法として開発されたものを、米・ミシガン大学が平和利用化したんだそうです。「チームの力をいかに発揮するか?」というチームアプローチがテーマですが、さまざまな人が集まるチームの力やコミュニケーションの成否が、戦場で生死を大きく左右したであろうことは想像に難くありません。全140プログラムの中の4つを行ったということで、ホンのさわりに触れることしかできなかったんですが、コミュニケーションにおける自分の得意・不得意なところを、改めて体感することができましたね。
『地雷』





←プログラム『地雷』





コミュニケーションにおける言葉の重要性は、言うまでもなくみなさんも感じていらっしゃることと思います。グループワークで取り上げられた『魔の7D』を最後に。1D=だから(例:「だから言ったのに」といった後出しジャンケン)、2D=だって(幼児が使う言葉で、せいぜい11歳までだそう…)、3D=ダメ(可能性を否定する独善的な言葉)、4D=でも(相手に対する不信のメッセージ)、5D=どうせ(自己卑下)、6D=どうして(例:「どうしてなの!」といった責任転嫁)、7D=できない(自分の可能性を否定する言葉)。Dで始まるこれら7つのネガティブな言葉からは、否定的なマイナスのメッセージしか伝わらない。逆にプラスの言葉を使うことでプラスの力を与えていこうよ、というメッセージがここには込められています。あぁ、身に覚えのある言葉の数々…。このあたりはコーチングにも通じる内容なので、なおさら興味深いです。

「マイナスの言葉を発するのは気分。プラスの言葉を発するには意志がいる」とは講師の言葉。「仲間が何かをやろうとしている時、支持のメッセージを出す。それもチーム」、「人がチャレンジする姿を見て、学ぶこともたくさんある」といった、一見当たり前のようですがステキな言葉に、またいくつか出会うことができました。活き活きと日々を過ごすためにも、マイナスの言葉を他者に、そして自身に向けないよう、心がけていきたいもんですねぇ(^.^) ではまた。